皮膚がんの心配な方へ

以前からあるシミが大きくなってきた、できものの様相が変わってきた等、心配なことがあれば是非受診してください。
皮膚がんは年々増加しています。一般的に生涯累積紫外線曝露量の多い高齢者に生じることが多いです。早期に発見し、治療をすれば命に関わることはほとんどなく、手術による傷跡も小さく済むことが多いです。しかし、皮膚がんが進行して大きくなれば、より多くの面積を切除することになるため傷跡は大きくなります。がんが皮膚の深い組織に及ぶと転移を起こすことがあります。転移を起こせば命に関わってきます。皮膚がんは目に見える体表に生じることが多いため、患者さんの多くはご本人やご家族が気づき精査を希望して来院されます。精査は皮膚生検を行い病理組織学的に診断することです。病変部周囲に局所麻酔し痛みをなくした後、直径3mmまたは4mmの円柱形のメスで病変の一部を切り取ります(”検査案内”、”小手術・生検実績”参照)。皮膚がんの中で、ほくろのがん(悪性黒色腫:メラノーマ)を疑った場合には、病変部すべてを切除して検査に提出します。検査の結果、採取した皮膚組織ががんであれば、後日に残った病変すべてを手術で切除します。当院では病理組織検査を行った結果、早期の皮膚がんであれば手術治療も行います(手術例1~6参照)。必要に応じて高次医療機関に紹介することがあります。手術治療・生検の詳細については診察時にお問い合わせ下さい。
(注)局所麻酔にアレルギーのある方は当院では行えません。

以下の写真は患者さんの許可を得て掲載しています。

手術例1 鼻の基底細胞がん

左:手術前 右:手術後(3ヶ月後)
<治療の概要>:局所麻酔を行った後、鼻の黒色斑に対して直径3mmのパンチメスで全切除生検を行い、病理組織検査により基底細胞がんと診断しました。がんの部位は全て取り切っていましたが、再発する可能性をより低くするため、後日に周囲の正常皮膚を5mm含めて円形に追加で切除しました。切除後の皮膚欠損部は縫合せず、連日の消毒と外用剤塗布で皮膚は再生しました。
<手術名>:皮膚悪性腫瘍切除術・単純切除(保険点数11,000点)
<手術費用(病理診断料込み)>:3割負担の方:36,000円程度、2割負担の方:24,000円程度、1割負担の方:13,000円程度
<起こりえる主な危険性と合併症>:①局所麻酔によるアレルギー(気分不良、じんましん、血圧低下、呼吸困難など)、②メスで皮膚組織の血管を切ることによる出血、③メスで皮膚組織の神経を切ることによる神経損傷(知覚異常など)、④メスで皮膚組織を切ることによる傷跡や瘢痕、⑤手術部位の感染、⑥術後の痛み、など。①については問診でアレルギーの既往がないことを確認しています。①から⑥の中で②と④は程度の差はあっても生じます。

手術例2 鼻下の基底細胞がん

左:手術前 右:手術後(5年後)
<治療の概要>:局所麻酔を行った後、鼻下の黒色小結節に対して直径3mmのパンチメスで全切除生検を行い、病理組織検査により基底細胞がんと診断しました。がんの部位は全て取り切っていましたが、再発する可能性をより低くするため、後日に周囲の正常皮膚を3mm含めて紡錘形(葉っぱ型)に追加で切除しました。切除後の皮膚欠損部は縫合しました。連日の消毒と外用処置を行い、手術後3週間で抜糸しました。
<手術名>:皮膚悪性腫瘍切除術・単純切除(保険点数11,000点)
<手術費用(病理診断料込み)>:3割負担の方:36,000円程度、2割負担の方:24,000円程度、1割負担の方:13,000円程度
<起こりえる主な危険性と合併症>:①局所麻酔によるアレルギー(気分不良、じんましん、血圧低下、呼吸困難など)、②メスで皮膚組織の血管を切ることによる出血、③メスで皮膚組織の神経を切ることによる神経損傷(知覚異常など)、④メスで皮膚組織を切ることによる傷跡や瘢痕、⑤縫合した糸が外れる縫合不全、⑥手術部位の感染、⑦術後の痛み、など。①については問診でアレルギーの既往がないことを確認しています。①から⑦の中で②と④は程度の差はあっても生じます。

手術例3 鼻の基底細胞がん

左:手術前 中央:手術後(3ヶ月後) 右:手術後(2年半後)
<治療の概要>:局所麻酔を行った後、鼻の黒色斑に対して直径4mmのパンチメスで全切除生検を行い、病理組織検査により基底細胞がんと診断しました。がんの部位は全て取り切っていましたが、再発する可能性をより低くするため、後日に周囲の正常皮膚を4mm含めて円形に追加で切除しました。切除後の皮膚欠損部は縫合せず、連日の消毒と外用剤塗布で皮膚は再生しました。
<手術名>:皮膚悪性腫瘍切除術・単純切除(保険点数11,000点)
<手術費用(病理診断料込み)>:3割負担の方:36,000円程度、2割負担の方:24,000円程度、1割負担の方:13,000円程度
<起こりえる主な危険性と合併症>:①局所麻酔によるアレルギー(気分不良、じんましん、血圧低下、呼吸困難など)、②メスで皮膚組織の血管を切ることによる出血、③メスで皮膚組織の神経を切ることによる神経損傷(知覚異常など)、④メスで皮膚組織を切ることによる傷跡や瘢痕、⑤手術部位の感染、⑥術後の痛み、など。①については問診でアレルギーの既往がないことを確認しています。①から⑥の中で②と④は程度の差はあっても生じます。

手術例4 背のボーエン病

左:手術前 中央:手術後(2ヶ月後) 右:手術後(2年後)
<治療の概要>:局所麻酔を行った後、背の褐色局面に対して直径4mmのパンチメスで皮膚生検(部分生検)(当ホームページ”検査案内”の”皮膚生検による組織検査”の項参照)を行い、病理組織検査によりボーエン病(表皮内がん)と診断しました。後日にがんの辺縁から5mm離して紡錘形(葉っぱ型)に全切除しました。切除後の皮膚欠損部は縫合しました。連日の消毒と外用処置を行い、手術後18日で抜糸しました。病理組織検査において、がんは全て取り切っていました。
<手術名>:皮膚悪性腫瘍切除術・単純切除(保険点数11,000点)
<手術費用(病理診断料込み)>:3割負担の方:36,000円程度、2割負担の方:24,000円程度、1割負担の方:13,000円程度
<起こりえる主な危険性と合併症>:①局所麻酔によるアレルギー(気分不良、じんましん、血圧低下、呼吸困難など)、②メスで皮膚組織の血管を切ることによる出血、③メスで皮膚組織の神経を切ることによる神経損傷(知覚異常など)、④メスで皮膚組織を切ることによる傷跡や瘢痕、⑤縫合した糸が外れる縫合不全、⑥手術部位の感染、⑦術後の痛み、など。①については問診でアレルギーの既往がないことを確認しています。①から⑦の中で②と④は程度の差はあっても生じます。

手術例5 顔の日光角化症

左:手術前 右:手術後(10ヶ月後)
<治療の概要>:局所麻酔を行った後、左頬の褐色局面に対して直径3mmのパンチメスで皮膚生検(部分生検)(当ホームページ”検査案内”の”皮膚生検による組織検査”の項参照)を行い、病理組織検査により日光角化症(表皮内がん)と診断しました。後日にがんの辺縁から3mm離して紡錘形(葉っぱ型)に全切除しました。切除後の皮膚欠損部は縫合しました。連日の消毒と外用処置を行い、手術後16日で抜糸しました。病理組織検査において、がんは全て取り切っていました。
<手術名>:皮膚悪性腫瘍切除術・単純切除(保険点数11,000点)
<手術費用(病理診断料込み)>:3割負担の方:36,000円程度、2割負担の方:24,000円程度、1割負担の方:13,000円程度
<起こりえる主な危険性と合併症>:①局所麻酔によるアレルギー(気分不良、じんましん、血圧低下、呼吸困難など)、②メスで皮膚組織の血管を切ることによる出血、③メスで皮膚組織の神経を切ることによる神経損傷(知覚異常など)、④メスで皮膚組織を切ることによる傷跡や瘢痕、⑤縫合した糸が外れる縫合不全、⑥手術部位の感染、⑦術後の痛み、など。①については問診でアレルギーの既往がないことを確認しています。①から⑦の中で②と④は程度の差はあっても生じます。

手術例6 前腕の日光角化症

左:手術前 右:手術後(3ヶ月後)
<治療の概要>:局所麻酔を行った後、前腕の褐色局面に対して直径3mmのパンチメスで皮膚生検(部分生検)(当ホームページ”検査案内”の”皮膚生検による組織検査”の項参照)を行い、病理組織検査により日光角化症(表皮内がん)と診断しました。後日にがんの辺縁から5mm離して紡錘形(葉っぱ型)に全切除しました。切除後の皮膚欠損部は縫合しました。連日の消毒と外用処置を行い、手術後2週間で抜糸しました。病理組織検査において、がんは全て取り切っていました。
<手術名>:皮膚悪性腫瘍切除術・単純切除(保険点数11,000点)
<手術費用(病理診断料込み)>:3割負担の方:36,000円程度、2割負担の方:24,000円程度、1割負担の方:13,000円程度
<起こりえる主な危険性と合併症>:①局所麻酔によるアレルギー(気分不良、じんましん、血圧低下、呼吸困難など)、②メスで皮膚組織の血管を切ることによる出血、③メスで皮膚組織の神経を切ることによる神経損傷(知覚異常など)、④メスで皮膚組織を切ることによる傷跡や瘢痕、⑤縫合した糸が外れる縫合不全、⑥手術部位の感染、⑦術後の痛み、など。①については問診でアレルギーの既往がないことを確認しています。①から⑦の中で②と④は程度の差はあっても生じます。