当院で可能な検査
血液検査
アトピー性皮膚炎や食物アレルギー、花粉症などの原因・悪化因子の検索、肝臓や腎臓などの機能・貧血の有無などが評価できます。アレルギー項目では、以下のように図で強さの程度(0~6まで)が表示されるため分かりやすいです。
下記の測定項目は MAST48 といい、少量の血液(1-2ml程度)で比較的罹患頻度の高い48種類のアレルゲン(アレルギーの原因となる物質)を一度に調べることができる便利な検査です。加工食品への原材料表示義務のある「特定原材料7品目」である卵、乳、小麦、落花生(ピーナッツ)、エビ、カニ、ソバの全てを含んでいます。○○ミックスの項目が陽性となればミックスされている全て、または一部のアレルゲンが陽性と解釈されるため、必要に応じて後日に単項目検査を実施可能です。目、鼻、喉、皮膚などに何かアレルギーのような症状があると思った際の手はじめの検査として、また以前からアレルギーはあったがどれくらいの程度かを知りたい際の検査として有用と考えられます。特に春先にはスギやヒノキの花粉により顔や首などの露出部にかゆみと肌荒れを生じる花粉皮膚炎がみられることがあります。御自身のアレルギーの有無や程度を知ることにより、生活改善につながると考えられます。
(注)アレルギー症状には個人差があるため、判定結果とアレルギー症状が一致しないことがあります。小さなお子様で採血が難しいと判断した際には、総合病院へ紹介することがあります。
(日立化成ダイアグノスティックス・システムズ株式会社(現ミナリスメディカル株式会社)より引用・参照)
顕微鏡検査
皮膚表面の鱗屑(めくれかけの皮やアカ)を直接顕微鏡で観察します。
写真の足指の間のめくれた皮を観察すると、写真下の細い菌糸の白癬菌(水虫菌)が見つかりました。
ダーモスコピー検査
ダーモスコープという拡大鏡(写真)を用いて皮膚の状態を詳しく診察する痛みを伴わない検査です。皮膚のできものやホクロなどを観察して、良性か悪性かを含めた診断の参考にします。写真はホクロの所見です。より正確な診断には次項の皮膚生検が必要になります。
皮膚生検による組織検査
局所麻酔で痛みをなくした後に、病変の一部をメスで採取して病理組織学的に診断します。良性病変と悪性病変の鑑別に大変有用です。写真は皮膚採取に用いるパンチメス(直径4mm)と病理組織画像です。